都内からのはくちょう座網状星雲東

都会の空は街灯のLEDの影響で、以前と違った光害の影響を受けています。光害に対応したフィルターも販売され、さらなる対応が必要になってきました。

都内からのはくちょう座網状星雲東

yuji

8月から撮りためていた、はくちょう座網状星雲東の画像処理をすることにしました。当初の目標20時間の半分程度しか撮影できていませんが、最初東側天頂付近にあった対象が、だいぶ西に傾いてきたこともあり(西は都心に近くなりかなり明るい)、今年はそろそろ終わりにしようと思いました。次の写真が西側です。なおこの右側にも10階建ての団地がありますし、地面近くに明るく写っている公園灯が6基ほど望遠鏡を照らしています。

また最初のころに使っていたL-eXtremeフィルターを、光量が2倍のIDAS NBZフィルターに交換したため、L-eXtreme換算だと総撮影時間が15時間になることや、画像処理の結果が自分なりに満足できるものになったためもあります。
撮影データ
撮影日時: 2022年08月18日から2022年09月30日にかけて10日間 撮影場所; 東京都足立区(SQM: 18.07) 撮影方法: 120秒☓297枚(合計594分)・3枚ごとにディザリング・毎回LEDトレーサーでフラット30枚撮影 撮影機材: 望遠鏡: Askar FRA 400 カメラ: ZWO ASI 533 MC Pro(0度冷却) 赤道儀: 主にZWO AM5(AZ-EQ5 GTも使用) オートガイダー: ZWO 30F4 ミニスコープ+ASI 290MM mini フィルター: 主にIDAS NBZ(L-eXtremeも使用) オートフォーカサー: ZWO EAF(電動フォーカサー) 撮影PC: Beelink U59ミニPC(Windows 11)+ Fire HD 8(TeamViewer) 撮影ソフト: N.I.N.A.+PHD2

画像処理: PixInsightのみ(組み込んだNoiseXTerminatorとStarXTerminatorも使用)
毎回フラット・ダーク処理を行っています。ストレッチするときには、星が星雲のじゃまにならないようにするため、星が肥大化したり飽和したりしないよう注意しました。そのため、従来画像処理の最後に行っていた星像縮小処理は不要になりました。強調処理では、デュアルバンドナローフィルターで厳密な色の再現は無理ですから、星雲はできるだけ青と赤を強調して鮮やかになるようにしてみました。

これから
網状星雲の西側も、ほぼ同じ時間を掛けて撮影しています。こちらは、まだまだ満足できるものとはなっていませんので、もっと時間を掛けて20時間を超えるようにしてみようと思ってます。
もう少しで網状星雲の撮影は終わりになりますので、天頂付近にできるだけ長くとどまっている、次の撮影対象を探さなければなりません。


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