三密の惑星たちを求めて

星くず2021年1月号から会員投稿記事をご紹介します。

三密の惑星たちを求めて

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 昨年12月には木星と土星が密になって天文ファンを楽しませてくれましたが、年初の9日~11日に、今度はその二つの惑星に水星が参加して「三密」を見せてくれました。ただし、夕方のごく低空での出来事で、観察するには運も必要でした。
 9日は良く晴れました。自宅からは比較的西の空が良く見えますので、自宅のベランダから狙います。双眼鏡で、木星、続いて水星、そして土星も見え始めました。水星はかなり低空です。撮影はできたのですが、拡大してみてみると結構ブレています。不安定なアルミテラスで撮影したのが原因でした。

1月9日。自宅から水星をギリ捉える。
E-M5IIM.ZD40-150mmF2.8 150mmF4.0
1/15sec トリミング

 翌日も晴れてはいたのですが、低空に少し雲があります。前日の教訓から、近場の高台に向かいます。と、陽が暮れて時間が経っているのに二組ほど夜景を見ている先客がいました。カメラをセットした後、「水星って見たことあります?」と声をかけてみると、一組の方は興味を持ってくれました。なんと双眼鏡もお持ちです。
 その後、雲と夜景を頼りに「あの照明の上、低空の雲との間に水星が見えますよー」「どれ?あ!見えた!」などと盛り上がりました。お互い個別の双眼鏡を持って、離れての会話で、地上では三密を避けての観望会状態です。

1月10日の夕刻。水星が少し近くなってます。木星を拡大すると衛星も!
同条件 1/4sec トリミング


 水星が山際に隠れる前に、雲の下から木星も顔を出して、「惑星の三密」をとらえることができました。今度は地面にしっかり三脚を据えたこともあり、拡大してみると木星の衛星も写っています。なかなか見られない三惑星の集合、更に見るのが難しい水星を交えてとらえることができました。楽しいひと時でした。
 更に、14日には土星は見えなくなりましたが、今度は木星と水星に月が合流です。木星もずいぶんと低くなり、水星の方が高度が高くなりました。今回も同様に望遠ズームで沈みつつある月と木星、そして水星を収めることができました。

1月14日の夕刻。今度は月が参加して夕空を飾ってくれました。同条件 1/10sec トリミング

今年も惑星たちは楽しませてくれそうです。


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